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映画「長崎の郵便配達」高校生が予告編動画を制作

STLOCAL編集部

更新日:2022.8.03
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平和へのメッセージを映画の予告編で伝える

2021年7月に完成した映画「長崎の郵便配達」は、被爆者である故・谷口稜曄(すみてる)さんにスポットを当てたドキュメンタリー作品です。谷口さんを1982年にインタビュー取材し、証言を書籍化した作家の故・ピーター・タウンゼンドさんの娘であるイザベル・タウンゼンドさんが、実際に長崎を訪れて、今は亡き2人の足跡を辿り平和へのメッセージをひもといていきます。

映画の完成に合わせ、川瀬美香監督が長崎市内の高校生に予告編動画の制作を依頼しました。制作したのは、長崎県立長崎東高等学校の生徒たちと、長崎県立長崎北高等学校放送部の生徒たち。それぞれ映画をもとに工夫を凝らした予告編動画を制作しました。

今回、制作に関わった長崎東高の湯田寛太さん、三浦幹広さん、大渡玲央さん、そして長崎北高の渡邊紗羽さんにオンラインでインタビューを行いました。被爆地である長崎で学ぶ高校生が感じたこと、そして平和に対する想いなどを伺いました。

映画「長崎の郵便配達」

 

映画を通して初めて知った、一人の人間としての谷口さんの人生

―予告編動画の制作を開始したのは2021年の春頃。最初に映画を観た感想はいかがでしたか。

 

(長崎東高_湯田さん)

率直な感想として、観た人に判断を委ねる、心で感じるような部分が多い映画だと思いました。そして谷口さんという方の人生を、いろんな側面から知ることができたのが印象的でした。長崎では平和教育が盛んで、私も小さい頃から平和活動家としての谷口さんの存在は知っていました。しかし被爆前の暮らしや普段の生活については考えたことがなく、今回映画を通して初めて知りました。

 

(長崎東高_大渡さん)

多くの被爆者の方と同様に、谷口さんも被爆してしまう前は普通の人生を歩んでいたし、普通の暮らしがあった。そのことを、制作する予告編の中で大切にしたいと考えました。

 

(長崎北高_渡邊さん)

最初は戦争映画だと思っていたので、正直怖いイメージを抱いていました。でも実際はそうではなく、登場人物の方々は、昔の人の想いを大切に受け継いできた人たちばかりでした。これまでにない新しい構成の素敵な作品なので、きっとたくさんの人に観てもらえると感じました。

印象的だったのは、イザベルさんの「自分が郵便配達人になったみたい」という言葉です。観ている私たちも、他の人に平和への願いを伝えていくことが大事だと考えて、予告編では映画を追体験するようなカットを入れることにしました。

長崎東高校の学生が制作した予告編動画。平和活動が身近な地元の高校生に、改めて谷口さんの人生の足跡と、平和へのメッセージを伝えることの大切さを訴えかける内容となっている。

 

―初挑戦となる予告編動画の制作は、どのように進めていったのでしょうか。

 

(長崎東高_湯田さん)

構成や脚本を得意とする大渡さんと、映像編集が得意な三浦さんに声をかけて、協力して制作を進めました。川瀬監督から事前に「ナレーションを加えて、高校生の等身大の声を伝えてほしい」というリクエストがあったので、自分たちで原稿を考えて収録。平和活動家としてではない、一人の人間としての谷口さんの人生にクローズアップした内容にしました。

 

(長崎東高_大渡さん)

制作する上で特に注意したのは、動画全体のペースです。予告編動画はいろんな人が観るものなので、なるべくゆっくりとしたペースにしました。

 

(長崎東高_三浦さん)

本来大きなスクリーンで見ることを前提にした映像なので、一般的なデスクトップパソコンで作業する際にイメージしづらく苦戦しました。

 

(長崎北高_渡邊さん)

映画を観た後、それぞれ印象的なカットを挙げて、予告編で使用する映画の場面を絵コンテのような形で描きました。そこから伝えたいことのイメージを膨らませて、イザベルさんと同じ場所を私たちが辿る映像を本編に並べる構成にしました。

映画と同じ構図を再現するのはとても大変で、何度も撮り直しました。印象的な場面が撮影された烏岩神社までの道のりは細い階段で、無事にたどり着けるのか不安になりましたが、神社近くの公園から見下ろした景色はまさに絶景でした。またナレーションは、やはり放送部としてちゃんとしないといけないと思い、かなり緊張しました(笑)。

長崎県立長崎北高等学校放送部の学生が制作した予告編動画。イザベルさんと同じロケ地に立ったカットを組み合わせている。長崎を巡り、平和への想いを受け継ぐメッセージを表現した。

 

予告編動画の制作を通して生まれる、平和を願う人たちの交流

―予告編の完成は7月。8月9日に予定されていた各高校での上映会は新型コロナの影響で中止になってしまったそうですが、川瀬監督を含む関係者向けの完成披露は行われたそうですね。実際に出来上がって、いかがですか。

 

(長崎東高_大渡さん)

制作を振り返ると、映画に込められたメッセージを形にするのはとても大変で、かなりエネルギーが必要だと感じました。そしてその分、大きなやりがいを感じられました。

 

(長崎東高_三浦さん)

予告編の制作を通して、映像編集の技術が上達したと思います。

 

(長崎東高_湯田さん)

今後は予告編や映画を観た学生同士で平和について意見を交わし、交流を深める機会があればと思います。

 

(長崎北高_渡邊さん)

最初は不安でしたが、東高の学生や川瀬監督から「よかったよ」と褒めてもらって、大きな達成感を感じました。今回予告編の制作という形で携わったこの映画が、これからいろんな場所で上映されてほしいです。そして観た人同士が近い距離で語り合う機会が生まれたらと思います。

 

映画「長崎の郵便配達」学生制作予告編(1)_長崎県立長崎東高等学校

 

映画「長崎の郵便配達」学生制作予告編(2)_長崎県立長崎北高等学校

 

「長崎の郵便配達」ロケ地紹介

映画のロケ地や関連する長崎市内のオススメスポットについて高校生に伺いました。

(長崎東高_湯田さん)

山王神社

近くには原爆の被害で半分壊れてしまった一本足鳥居や、被爆クスノキなどがあります。当時の悲惨な状況を今に伝えるとともに、平和を願う気持ちを後押ししてくれて、パワースポットのような場所でもあります。

 

長崎原爆資料館

長崎から平和について考える上で欠かせない場所です。戦争の悲惨さと平和の大切さを肌で感じられます。小さい頃に足を運んだ時は「もう行きたくない」と思うほど怖い場所でした。それは実際に行かないと分からない感情で、ぜひ多くの人に足を運んで感じてほしいです。

 

(長崎北高_渡邊さん)

原子爆弾落下中心地碑

映画の中でイザベルさんも訪れた場所です。国道沿いに位置していながら、とても静かで落ち着いた雰囲気の場所です。広島の原爆ドームのような建物が残っているわけではありませんが、だからこそ当時に想いを馳せて、心で感じるような場所だと思います。

原子爆弾落下中心地碑

住所長崎市松山町6

 

浦上川

通学する時に毎日のように眺めているとても身近な場所です。美しい川ですが、原爆が落とされた際に多くの被爆者の方が水を求めて身を投げた場所だと知ると、見え方が変わりました。

浦上川

この記事で紹介したスポット

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