【轟音を立てて潮が満ち引く「早岐瀬戸」の観潮橋】 | STLOCAL|長崎を旅するアプリ

【轟音を立てて潮が満ち引く「早岐瀬戸」の観潮橋】

「海風の国」観光マイスター

更新日:2022.11.11
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こんなに激しい潮の満ち引きを見たことがあるだろうか。

月や太陽の引力の影響を受けて起こる潮の満ち引き。さっきまで見えていたはずの
岩場がいつの間にか海水に浸かっていたり、海だった場所が広い干潟になっていたり、
日常で体験するものはそういった音もない干満の変化ではないだろうか。

しかし、佐世保市にある早岐瀬戸(はいきせと)の観潮橋(かんちょうばし)は、
日本でも珍しく、干満の変化を激流と轟音で体感できる場所だ。

その理由は、周囲のほとんどを山に囲まれ、一見湖のような大村湾と、様々な船が
行き交う佐世保湾とをつなぐ、たった2つの瀬戸うちの1つであるにも関わらず、その
横幅は、最も狭い部分は約10mと、あまりにも細いことにある。

干潮時には、大村湾から佐世保湾へ、満潮時にはその逆方向へと、海とは思えぬ
凄まじい激流となり、川のように狭く長い瀬戸を、とてつもない量の海水が移動する。
大潮ともなると、激流は大きなうねりをつくり出し、マリンスポーツを楽しむグループ
も訪れる。

海面を覗き込めば、流れに身を任せて移動していく魚の群れや、連なるように無限に
発生する渦潮も。いつまでも無心になってその変化を楽しむことができる。実際に私も、
流れが真逆に切り替わるその瞬間を見逃すまいと、3時間ほど瀬戸を見つめていた。

通りかかった男性に話を聞いてみた。生まれた時からこの地に住むという男性(80)。
「毎日散歩で来るばってん、いっちょん(全く)飽きん。瀬戸の淵に、小さいカニが
いっぱいおって、潮が引けば下に降りてエサをとるし、満ち始めれば濡れんところまで
登って岩の隙間から海面を眺めとる。」

400年も前から、物々交換の市で栄え、交通の要所としても賑わった早岐地区。
のんびりとした穏やかな街並みとは対照的に、轟音で干満を知らせるこの瀬戸の激流を、
また何百年先も、誰かが驚き見つめていることを願う。

※JR早岐駅から徒歩約12分。
※車の際は、近隣の有料駐車場利用可能

※情報は取材当時のものです。詳細は公式サイトなどでも事前確認することをおすすめします。

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佐世保・小値賀の案内人

「海風の国」観光マイスター

「海風の国」観光マイスターは、「海風の国」佐世保・小値賀観光圏として連携して観光地域づくりに取り組んでいる、
佐世保市と北松浦郡小値賀町の観光に関する豊かな知識(地理、歴史、文化、食、観光地、観光施設等)と、
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