【長崎・新上五島】防波堤だけでつながった珍しい島
2023/2/7 公開
新上五島南部
今回は新上五島町若松島の北西に位置する日島を、上五島ふるさとガイドの会の河内一彦さんと一緒に散策しました。橋ではなく防波堤だけでつながった島を紹介します。
有福島と日島を結ぶ全長220mの臨港道路
有福島と日島を結ぶ臨港道路
奈良尾港から車でおよそ45分。1978年に設置された有福島と日島を結ぶ全長220mの臨港道路を渡り日島へ。およそ1.4㎢の小さな島には、20世帯26人(2022年8月末現在)が住んでいます。
日島の番屋の峠から煙を上げて異国船の来島を知らせていたことから、「火の島」が「日島」に転じたのではないかといわれています
日本遺産の構成文化財「日島の石塔群」
長崎県指定史跡であり、日本遺産「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋」の構成文化財である「日島の石塔群」
島に入るとすぐ目の前に、古墓群が見えてきました。東シナ海を望むように板碑形塔や五輪塔、積石墓や自然石板など、さまざまな種類の墓碑や墓石が並ぶ「日島の石塔群」です。長崎県指定史跡に指定され、日本遺産「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋~」の構成文化財になっています。河内さんは「中世から現代におよぶ墓地で、御影石や日引石など島外から持ち込まれた石もあります」と話します。
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樹齢300年以上のイチョウの巨樹
さらに進むと、集落を見下ろす高台に源寿院がありました。寺には新上五島町の有形文化財に指定されている「秘仏十一面観音」がまつられています。「平安末期作といわれています。小島に流れ寄っていたのを地元の漁師が拾い上げてまつったとされ、33年ごとに開帳されています」と河内さん。本堂のそばには樹齢300年から500年のイチョウの巨樹が。幹回り約6.25m、直径約2m、高さ約25m。本堂の廊下の一部はこのイチョウの木を使って作られているそうです。
日島集落。昭和50年代には200人以上が住んでいたとか
源寿院とイチョウの巨樹
源寿院本堂
秘仏十一面観音がまつられています
イチョウの巨樹を木材に使った源寿院の廊下
上五島ふるさとガイドの会の河内一彦さん。「秋には黄金色に色付き、枝にたくさんのギンナンが実り、島に彩りを添えます」
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海上交易を物語る貴重な遺物
島端の丘の上に釜崎宝篋印塔(ほうきょういんとう)があると聞き行ってみました。海を見下ろすように建つ釜崎宝篋印塔は、1367年に海上航行の安全と供養のために建てられたもので、海上交易を物語る貴重な遺物とされています。
高さ約2.3mの釜崎宝篋印塔1基が海を見下ろすように建っていました
釜崎宝篋印塔から見た龍宮小島。定置網が設置されていました
以上、とっとってmotto!編集部でした
※情報は2022年9月末時点のものです。詳細は公式サイトなどでも事前確認することをおすすめします。
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