【長崎観光モデルコース】南山手の巡り方 / 大浦天主堂・グラバー園・夜景も!【3時間〜半日】
2023/12/21 公開
東山手・南山手
本記事では、長崎の一大観光地、南山手エリアのオススメの巡り方をご紹介します。3時間〜半日で、このエリアの見どころをバッチリ抑えられる巡り方、さらには夜景の楽しみ方まで、一挙にお伝えします!
夜景コースもご紹介します
今回は、路面電車「大浦天主堂」電停をスタート地点とし、「大浦天主堂」や「グラバー園」などの名所も巡りながら、南山手エリアを徒歩で散策するコースをご紹介します。
以前、このエリアの夜景スポットのご紹介をしましたが、今回は別コースでの夜景スポットの巡り方もご紹介します。昼間の散策ともうまく組み合わせると、半日で南山手を最大限楽しめるハズ。
※ 括弧内の時間は、見学・訪問における大体の参考時間です。どの程度じっくり巡るかにより、時間は大幅に変動します。あくまでご参考までにご覧ください。
① グラバー通り
路面電車「大浦天主堂」電停からスタート
お土産屋さんが立ち並ぶ「グラバー通り」
路面電車「大浦天主堂」電停で下車し、まずは「グラバー通り」を散策しましょう。緩やかな坂道に、お土産屋さんが立ち並んでいます。カステラや角煮まんなど、長崎名物も多数。試食コーナーもたくさんあります。
「ボウリング日本発祥地」
ちなみに、このあたり一帯は「旧長崎外国人居留地」と言って、外国人の方が多く暮らした場所でした。そのため、いち早く海外から新しい文化が入ってきた場所でもあります。道端をよく見てみると「ボウリング日本発祥地」など、当時の面影を感じさせる石碑が立っています。
② 大浦天主堂 / 大浦天主堂キリシタン博物館
国宝であり世界文化遺産でもある大浦天主堂
グラバー通りを登りきると、正面に「大浦天主堂」が見えてきます。大浦天主堂は、1864 年に建てられた、日本に現存する最古のカトリックの教会堂です。世界文化遺産であり、教会建築として唯一、国宝にも指定されています。
大浦天主堂は「信徒発見」の舞台となった
大浦天主堂は「信徒発見」の舞台となった場所としても知られています。「信徒発見」とは、日本で隠れて信仰を守ってきた潜伏キリシタン達が、大浦天主堂を訪れ信仰を告白した出来事のことです。かつて日本ではキリスト教が弾圧され、約250年にわたって禁教とされていました。そのため、大浦天主堂での「信徒発見」は、世界のキリスト教の歴史においても、奇跡と言われています。
「大浦天主堂 キリシタン博物館」館内
日本キリシタン史を豊富な資料・展示と共に学べます
大浦天主堂のすぐ隣には「大浦天主堂 キリシタン博物館」があります。日本と西洋・キリスト教の出会いから、信徒発見、そして現代までの歴史を、わかりやすい展示にて学ぶことができます。
かつて「小ローマ」とも呼ばれた長崎には、大浦天主堂をはじめとする、キリスト教にまつわる様々な史跡があります。この博物館にて、日本におけるキリスト教の歴史をじっくり学ぶと、長崎をより深く味わえるようになると思います。
③ 祈りの三角ゾーン
大浦天主堂を正面に見て左の小道に進みます
大浦天主堂を見学した後は、すぐ隣のグラバー園へ…と、天主堂を正面に見て右側の方に観光客の皆さん行きがちですが、今回のルートでは左側の小道の方へ進みます。
祈りの三角ゾーン
しばらく進むと「祈りの三角ゾーン」という場所に辿り着きます。祈りの三角ゾーンとは、神道の神社、キリスト教の教会、仏教のお寺、と異なる3つの宗教施設がご近所さんで立ち並んでいる場所です。様々な文化が出会い交わった場所である「多文化共生のまち」長崎を象徴するような場所で、個人的に一推しのスポットです。
④ 祈念坂
趣のある石畳の道を上ります
階段の中腹からの風景
階段を上り切ったところからの風景
祈りの三角ゾーンの神社の脇道を上に登ると「祈念坂」に辿り着きます。大浦天主堂の横に伸びる坂道で、居留地時代の趣を残す、風情ある石畳の階段が特徴的です。ちなみに「沈黙」や「海と毒薬」などの小説で知られる遠藤周作も愛した場所と言われています。
個人的には、坂を登っている途中に振り返った景色、坂を登りきった後に振り返って見る景色、この二つがとても気に入っています。何度訪れても、グッとくる風景に出会える場所です。
⑤ 大浦展望公園
大浦展望公園
長崎らしい、斜面地に家々が連なる風景
祈念坂を上り先に進むと、「大浦展望公園」という公園があります。この公園からは、斜面地に家々が連なる、「坂のまち」長崎ならではの風景が楽しめます。山肌にびっしり家が立ち並ぶ景色は圧巻です。
大浦展望公園の先にある垂直エレベーター
斜面地の景色からうってかわり、港の景色に
大浦展望公園の近くにある垂直エレベーターを上がると、また素晴らしい景色が広がります。大浦展望公園から見える「坂のまち」の景色とはまた違う、「港のまち」長崎の風景を楽しむことができます。この日はちょうど、大型クルーズ船が入港している日でした。
⑥ グラバー園
グラバー園 第2ゲート
園内、結構広いです
垂直エレベーターのすぐ近くに、グラバー園の第2ゲートがあります。こちらからグラバー園に入場しましょう。ちなみに、グラバー園へは、大浦天主堂のすぐ隣にある第1ゲートからも入場が可能ですが、今回ご紹介したルートでグラバー園(第2ゲート)へ向かうと、道中に坂道や景色など、長崎の魅力をたっぷり味わえるため、こちらのルートをオススメすることが多いです。
世界文化遺産「旧グラバー住宅」
鎖国が解かれた幕末、長崎には外国人居留地が作られ、多くの外国人の方が暮らしました。グラバー園内には、居留地時代に作られ150年以上もこの地に建ち続けている「旧グラバー住宅」、「旧リンガー住宅」、「旧オルト住宅」があり、また、市内に点在していた明治期の洋館が6つ移築・復元されています。異国情緒あふれる園内、散策を楽しんでも良し、洋風建築を鑑賞するも良し、長崎での国際交流の歴史に想いを馳せるのも良し、ぜひ皆さん思い思いに楽しんでみてください。
今も長崎の人に愛されるグラバーさん
この地で暮らした外国人の中で特に有名であり、園の名前にもなっているのが、スコットランド出身の商人、トーマス・ブレーク・グラバー(通称:グラバーさん)です。彼を一言で紹介するならば「明治維新と日本の近代化を大きく後押しした冒険商人」と言えるでしょう。明治維新の志士たちと親しく交流し、彼らの海外留学を援助したり、日本の近代化の礎になるような施設(小菅修船場や高島炭鉱)を手掛けたり、後に三菱の顧問となって日本の近代化を支えるなど、大活躍した人物です。そんなグラバーさんは、今でも多くの長崎の人々に愛されています。
⑦ グラバースカイロード
斜めに進むエレベーター
石橋電停から歩いてすぐのところに、斜めに進む斜行エレベーター「グラバースカイロード」があります。こちらにのって、斜面地の上に進んでいきましょう。
垂直エレベーター
グラバースカイロードを降りて右手に進むと、本記事「⑤ 大浦展望公園」のパートでも見た、垂直エレベーターがあります。こちらに乗って上に向かいましょう。
雲間に見える淡いオレンジが美しい
垂直エレベーターを降りると、目の前に広がるのは、「港のまち」長崎の夜景。日中の景色とはまた違った趣を楽しめます。ちなみに、石橋電停から、ここに到着するまでは約10分。この後は、昼間のルート(②〜⑤)をそのまま逆に進むような形で、下に降りながら夜景やライトアップを楽しんでいきます。
⑧ 大浦展望公園(夜景ver)
ベンチで夜景鑑賞も
坂のまちの夜景
垂直エレベーターを降りて左に進み、大浦展望公園へ向かいます。昼と夜とで、雰囲気がガラッと変わり、斜面地の家々の灯りが幻想的な夜景を生み出しています。地元のとある方は、このあたりの夜景を「大浦銀河」と呼んで親しんでいました。確かに、銀河や天の川みたいな夜景ですよね。
⑨ 祈念坂(夜景ver)
夜の祈念坂
幻想的な道に様変わり
大浦展望公園から先に進み、祈念坂へ向かいましょう。祈念坂も、夜になると雰囲気が変わります。祈念坂は数年前(令和元年)にライトアップの整備がなされたため、実は地元の方も、この夜景コースは知らない方が多いかも?しれません。
⑩ 大浦天主堂(夜景ver)
ライトアップされた大浦天主堂
祈念坂を降りきると、最後はライトアップされた大浦天主堂でゴールとなります。
※ 大浦天主堂のライトアップは、日没から22:00まで
今回のルートで、石橋電停から大浦天主堂までゆっくり散策しても、所要時間は小一時間程度。①〜⑥のルートをほぼ逆走するようなルートなので、昼間に一度①〜⑥と巡っていると、土地勘・道勘がついてスムーズに散策できて良いかも知れません。
季節によって時間の調整が若干難しいですが、夕方・日没の数時間前に①〜⑥を巡り、日が落ちた後に⑦〜⑩を巡ると、南山手の昼と夜を、一挙に満喫することも可能です。
ということで、いかがだったでしょうか。この記事も一つの参考に、ぜひ、南山手エリアをじっくりと巡ってみてくださいね!
この記事を書いた人
品川 正之介
Youtuber/Podcaster
1991年生まれ、神奈川県横浜市出身。大学卒業後、プラントエンジニアリング会社で約2年、IT系スタートアップで約3年働いた後、2020年2月に東京から長崎(長崎市)へ移住。現在は「外から来た人の目線で、長崎の魅力を掘り起こし、伝え、生かす」をテーマに、Podcast(「ながさきラジオ」)やYouTube(「長崎暮らし」)での情報発信を行う。口癖は「長崎は銀河系で一番面白い」。
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