【長崎・新上五島】平家伝説や遣唐使史跡・鬼の足形を巡る【#歴旅】
2023/2/7 公開
新上五島北部
今回は新上五島町今里郷を、郷長の峯博隆さんと一緒に散策しました。鬼の足形や平家一族をまつった墓碑などがある海辺の町を紹介します。
今里の山中で自刃した平家一族の墓碑
新上五島町の海の玄関口、奈良尾港から国道384号を北へ車で20分。今里湾沿いに小さな集落が見えてきました。
今里橋を渡り100mほど行くと、目の前にさまざまな形をした墳墓群が。新上五島町指定有形文化財「今里平家塚と中世墳墓群」です。中世末期から近世期の墓碑で、その中には、源氏の追討から逃れられないと悟り今里の山中で自刃した平家一族をまつった墓碑もありました。
鎌倉、室町時代の板碑や宝篋(きょう)印塔、笠石塔婆などが見られます。
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朱色の船のオブジェが印象的な「遣唐使公園」
隣接して朱色の遣唐使船のオブジェが印象的な「遣唐使公園」があります。集落の中央部にある公園で、地域住民の憩いの場として親しまれています。
新上五島町今里郷郷長の峯博隆さん
大山祇神社(おおやまずみじんじゃ)。1月の例祭日には今里の祈祷(きとう)、真の的(しのまと)が行われます。的射(まとい)では、3歳と7歳の子ども2人が的に向かって3本の矢を、成人男性が888本の矢を放ち、郷内の悪鬼払いをします
本殿前には天狗(てんぐ)の面が飾られていました
見事な木彫り。「これを見に来る人もいます」と峯さん。
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遣唐使の帰路の無事を祈願
近くに遣唐使船寄港の史跡があると聞き、行ってみました。公園から約300m。今里川の河口近くに、長さ3m、幅1mほどの舟の形をした自然石がまつられていました。峯さんは「この舟形石を『御船様(みふねさま)』と呼び、遣唐使が無事帰着したことを感謝し、または帰路の無事を祈願したと伝えられています」と話しました。
「御船様」は1991年に新上五島町の有形文化財に指定されました
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山王山をひとまたぎにして歩いた鬼(巨人)の足形?
今里湾に面した海岸には縦約3m、横約1.5mの石の造形物が。大きな石が自然の力で削られ、まるで足形のように見えます。「この足形は左足で、右足は若松地区にあります。三王山をひとまたぎにして歩いた鬼(巨人)の足形と言われ、今里の人は島吉の足跡と呼んでいます」と峯さん。
左足形が宇久島にもあるとの言い伝えも
以上、とっとってmott!編集部でした!
※この情報は2022年11月時点のものです。詳細は公式サイトなどでも事前確認することをおすすめします。
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