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【長崎市江戸町】長崎文化の魅力を再発見し、穴場グルメで舌鼓

公開日:2023/12/25最終更新日:2023/12/25
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長崎市

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長崎市中心部に位置する江戸町は、出島や浜町アーケードといった観光地エリアと、商業施設が並ぶ海沿いのエリアの狭間にあるような場所です。周辺には史跡や老舗が多く、なんだかノスタルジックな雰囲気も。そして車の通りが少ない脇道には、のんびり過ごせる魅力的なお店も並びます。今回はそんな江戸町エリアのまち歩きをご紹介します。長崎ならではの手ぬぐい店に立ち寄り、知らなかった歴史や新しい魅力を再発見。そして店主の個性が光る2箇所の飲食店も訪ねました。

①歴史と文化が入り混じる長崎ならではの手ぬぐい

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江戸町という名前の由来は、江戸の繁栄にあやかったという説や、江戸幕府が開かれた慶長8年(1603年)に誕生したことが理由という説があります。現在整備が進められている旧長崎県庁の場所にはかつて長崎奉行所があり、その後は江戸幕府によって海軍の教育機関である長崎海軍伝習所が設けられました。
 
江戸町商店街から旧県庁に向かう坂道は、まさに幕末の偉人が歩いた道です。幕末から明治の時代にかけて活躍した勝海舟も、この長崎海軍伝習所の一期生として学びました。学校の授業で習うような歴史が一気に身近に感じられますね。
 
 
そんな長崎ならではの出来事や風景、文化などをモチーフにした“長崎雑貨”を販売しているのが「たてまつる」。古民家を改築したお店の佇まいになんとも風情があります。
 
 
店内にずらりと並ぶのは、色とりどりの手ぬぐい。お店では“たてま手ぬ”と名付けています。すべて店主の高浪高彰さんがデザインしたもので、ユニークな発想と遊び心が感じられるものばかりです。眼鏡橋や稲佐山、路面電車、トーマス・グラバー、卓袱料理などなど、長崎らしいテーマが題材となっています。
 
例えば坂本龍馬の手ぬぐいは、有名な立ち姿の写真をヒントにしながら、あえて顔が見えないようなデザインとなっています。「手ぬぐいの細長い限られたスペースで、想像力が膨らむようなデザインにしました」と高浪さん。職人の手によって染められた手ぬぐいは独特の発色でとても素敵です。実用品として使うのはもちろん、お部屋に飾るのもオススメです。

②歴史と文化が入り混じる長崎ならではの手ぬぐい

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手ぬぐいの紹介カードには、モチーフとなった人物や場所についての豆知識、そしてデザインに込めた想いが分かりやすく書かれています。手ぬぐいをきっかけに、これまで知らなかった長崎の歴史や文化と出会うことができそうです。
 

手ぬぐい以外にも、トートバッグや手提げ袋、ブックカバーなどの商品も展開中。オープン以来、少しずつ商品を増やしていったそう。ちなみに高浪さん、デザインの技術や知識は独学で学んだとのこと!絵や音楽、アートなどに興味があったそうで、過去の体験の積み重ねが発揮されています。

 
もともと長崎出身で、一度は都会への憧れから上京して働いていた高浪さん。「実際に東京で生活すると、もともと地方出身という人が多くて。みんな地元の話をする中で、自分は長崎のことを全然知らなかったことに気付いたんです。それで改めて長崎の歴史について調べてみると、本当に面白くて」。その後、叔母の土産物店を引き継ぐ形で自らのお店を開業しました。
 
 
手ぬぐい作りがきっかけでより一層長崎の歴史・文化を学び、訪れた人に紹介する中で、どんどん知識が定着していったそう。そんな長崎愛と遊び心が発揮されたのが、セレクトショップ「アーバンリサーチ」とコラボした手ぬぐいです。「もしもあの時代の長崎にアーバンリサーチがあったら」という架空の設定で、縄文期や白亜紀、戦国時代、明治期など、いろんな時代の長崎を表現。長崎のもつ歴史や文化の豊さを改めて感じられます。
 
 
西九州新幹線開業に合わせて大きく変化している長崎市という街についても、最後にお話を聞きました。「国内だけではなく海外も見据えた国際都市化はどんどん進んでいくと思いますが、それはかつて貿易の中心地だった長崎の強みをもう一度活かすことになります。近代的な施設と住み分ける形で、日本・中国・西洋の文化が入り混じる“和華蘭文化”をきちんと残し発信することが、本当の意味での発展に繋がるのではないでしょうか」。長崎の過去、現在、そして未来を見据えた高浪さんの言葉が印象的でした。

イタリア・アマルフィの風土まで味わうレストラン

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ここからは江戸町の個性的な飲食店を巡ります。白い外観に緑が映える「Sapori di Amalfi(サポーリ ディ アマルフィ)」は、南イタリア・アマルフィの料理でもてなしてくれる気取らないレストランです。アマルフィ出身のガンバルデッラ・アンドレアさんと、長崎市出身の榎志妹さんの夫婦二人で営むお店は、もうすぐオープンから9年となります。
 
カウンター席とテーブル席を用意。ランチ・ディナーともに訪れる客層の幅広さが特徴です。店内にはアマルフィにちなんだインテリアや絵、写真などを飾っています。
 
 
もともと大阪の飲食店などで働きながら、何度もアマルフィに通っていた榎さん。「人や食の豊さに惚れ込んで、日本でお金を貯めてはアマルフィに数ヶ月滞在する生活を長く続けていました」。夏になるとヨーロッパ中から観光客が押し寄せるリゾート地。「シーズン中は、まるで街全体がイベント会場みたいでしたよ」と笑顔で振り返ります。
 
 
海が近く、坂道が多く、人や食に恵まれたアマルフィは、どこかふるさとの長崎を思い起こさせる場所だったそう。そろそろ地元に戻って、これまでの経験を活かしてワインバーでもオープンしようかと思っていたところで、アンドレアさんと出会います。もともと長年シェフをしていたアンドレアさんの存在により、イタリア・アマルフィの料理をメインにしたレストランのオープンに繋がったそうです。
 
 
ランチメニューはプレートやパスタのセットの他、数量限定の人気メニューが「ラザニア」です。ゆで卵、ひき肉、モッツァレラチーズと自家製パスタが層になったクラシックスタイル。フレッシュな甘みのあるトマトソースは馴染みやすいおいしさで、一皿あっという間に完食してしまいます。
 
 
 
 
デザートにはティラミス、そして本格的なエスプレッソも楽しめます。「アマルフィで毎日飲んでいたエスプレッソを長崎でも飲みたくて、マシーンや豆にもこだわりました」と榎さん。ちなみにイタリア産のワインも豊富に揃えています。夕方になると、カウンターでアルコールとアラカルトを気ままに楽しむ常連客の姿も。メニューだけではなく、このお店全体の空気感からも、アマルフィという土地の風土が感じられました。

①野菜たっぷりスパイシーメニューで体も心も元気になる

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そしてもう一つのお店は、2023年5月にオープンした「and MOON」。先ほどご紹介した「たてまつる」のすぐ近くにあります。スパイスカレーと手作りタコスが看板メニューで、カウンター中心のこぢんまりとした店内は居心地のいい空間です。
お店を切り盛りする堀美里さんは、約4年前に奈良県から移住。もともと飲食店経験が長く、縁あってトントン拍子で話が進み、浜口町で間借りの夜カフェを始めました。「まさかお店を出すなんて夢にも思っていなかったので、自分のできるメニューやスタイルを考える中で、カレーを看板メニューにしました」。

 
来てくれたお客さんとの交流が大好きな堀さんは、間借り時代にいろんなメニューのリクエストや味の好みを聞いていたそう。そこで生まれたメニューの一つがタコスです。いよいよ自分のお店をオープンするにあたっても、間借り時代にお客さんの声を聞きながら試行錯誤を繰り返したメニューが活かされています。
 
 
オススメのメニューは、スパイスカレーとタコスを一度に味わえる「手作りタコス&ミニカレー」です。江戸町での出店に合わせて、料理をさらに改良。自家製タコスの皮はコーン100%で豊かな風味を感じさせ、ピリッと辛いジューシーなタコスミートがクセになります。
一方、カレーの方は野菜をたっぷり使用したマイルドな辛さ。「毎日でも食べられる定食のようなおいしさです」という堀さんの言葉通り、スパイスカレーながらすんなり体に馴染む味わいです。ルーは週替わりで2種類用意しています。
 
 
そして自家製シロップドリンクも一押し。すっきり爽やかなレモンの他、すりりんごと赤しそや、つぶつぶ梅など、時期ごとにさまざまな種類を用意しています。お客さんの声で追加された「焼きプリン」といったスイーツメニューも用意しているので、食後のデザートにぜひ。

②野菜たっぷりスパイシーメニューで体も心も元気になる

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奈良県出身の堀さんから見た長崎の人の印象は「おっとりしていてやさしい」とのこと。「忙しい時間帯でも、皆さん急かさず料理が出てくるのを待ってくださるので助かっています。間借り時代から継続して来てくださる方もいて、素直に応援する気持ちを伝えてくれるので励みになります」。ちなみに堀さん、地元では“おっとりキャラ”でしたが「長崎の人からしたら全然せっかちみたいです」と話していました(笑)。
 
 
現在はランチ営業のみですが、来年からは間借り時代のような夜営業もしていきたいといわれていました。また実は堀さん、バンドのボーカルとして音楽活動を長く続けているそうです。「小さなお店なので、アコースティックライブとかできれば」とのことで、今後のお店のさらなる進化にも注目です。

この記事を書いた人

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藤本編集局 藤本明宏

ライター

長崎県在住のライター・インタビュアーです。人とまっすぐ向き合い、心のこもった文章を書いていきたいと思います。また普段から、インタビューで長く、ゆっくりと話を深めることに意識を向けています。

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