旅の思い出を彩る、唐津・伊万里のとっておきお土産
公開日:2025/7/17最終更新日:2025/7/17伊万里・唐津
海と山に囲まれた自然豊かな佐賀県北西部。朝市で活気づく港町や城下町としての風情を今に残す唐津市と、磁器の町として世界的に知られる伊万里市には、心に残るすてきなお土産がたくさんあります。今回は、帰り際に立ち寄りたいお店と、大切な人に贈りたい厳選お土産をご紹介します。
伝統と革新が交わる唐津のお土産①
呼子の町に溶け込んだクラフトビール
2023年12月、佐賀県唐津市呼子町にオープンした〈Whale Brewing 呼子クラフトビール醸造所〉は、32年間金融機関に勤めた夫婦が呼子を盛り上げようと移住してクラフトビール造りをしている地域密着型ブルワリーです。
ブルワリー名はかつて捕鯨で栄えた呼子の歴史を讃え、町の活気を取り戻すシンボルとして命名されました。
イカの活き造り発祥の店〈河太郎〉が築80年の古民家を再生し、趣ある空間で呼子の美味しい水を活かした本格クラフトビールを醸造しています。「イカに合うクラフトビール」をコンセプトに造られており、揚げたての「イカカツ」(500円)とのペアリングが最高です。
ビール品評会「ジャパン・グレートビア・アワーズ2025」において、レギュラービール3銘柄(写真左の3本)の全てにおいて『銀賞』を受賞しており、唐津市内の飲食店でも取り扱いが広がっています。
現在レギュラービールの「ペールエール(770円)」「IPA(880円)」「ヴァイツェン(770円)」に加え、限定醸造ビール「ヘレス ラガー(990円)」(写真右)も期間限定で販売中です。
これからの季節はスッキリぐびぐびいける仕上がりになっている「ヘレス ラガー」(要冷蔵)がお土産におすすめです。
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伝統と革新が交わる唐津のお土産②
唐津の海の幸を凝縮した「綿(わた)そぼろ」
唐津市の花菱が手がける「綿そぼろ」は、50年以上続く老舗日本料理店が作る究極の高級ふりかけです。
唐津近郊で獲れた新鮮な魚を使用し、2〜3日かけてわたのような「ふわふわ食感」に仕上げます。無添加調味料の最小限の味付けで「魚本来の優しいうまみ」が特徴。魚の骨を取り除き、臭みもほとんどないため、魚が苦手なお子様にも人気です。簡単に良質なタンパク質が摂取できます。ご飯にかけるだけで一品になる便利さから、忙しい朝食や夜食にも最適です。
冷凍保存で3カ月持ち、ジッパー付きの袋で使いたい分だけ取り出せる実用性も魅力的の一つ。お酒のおつまみとしても楽しめ、唐津の海の恵みを全国にお届けする特別なお土産として、贈り物に喜ばれるでしょう。
オンライン販売が基本ですが、事前連絡をすれば店頭での購入も可能です。
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伝統と革新が交わる唐津のお土産③
400年の伝統が生きる「唐津焼」
佐賀県唐津市で400年以上の歴史を誇る唐津焼は、「一楽・二萩・三唐津」と称され茶道の世界で愛され続ける伝統陶器です。粗い土を使った素朴で温かみのある風合いが特徴で、「作り手8分、使い手2分」の理念のもと、使うほどに味わいが深まる「用の美」を体現しています。
中でも〈炎向窯(ひなたがま)〉が手がけるイカの箸置き(300円)は、呼子の名物イカをモチーフにした愛らしいお土産として人気です。
一つひとつ手作りで個体差があり、体長約7センチの可愛らしい仕上がり。伝統的な唐津焼の技法で作られながらも、現代の食卓にもなじみやすく、お手頃価格で購入できるのが魅力です。唐津の伝統工芸と地域の特色を組み合わせた、旅の記念にぴったりの逸品として、多くの観光客に愛されています。
工房は唐津北部の名護屋にありますが、呼子の朝市通りにもギャラリーがあります。朝市を訪れた時はぜひお尋ねください。すてきなおかみさんが笑顔でお待ちしています。
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伝統と革新が交わる唐津のお土産④
おみやげスポット〈唐津市ふるさと会館アルピノ〉
唐津でお土産を買うならここ!〈唐津市ふるさと会館アルピノ〉には農産品や解散品の加工品、お菓子、お酒、民芸品まで唐津らしいお土産がたくさんそろっています。
また、ソフトクリームやピザ、地酒の飲み比べなどちょっとした軽食ができるカフェも併設されています。
2階には唐津焼のギャラリーもあり、展示・販売もされています。
スタッフにオススメのお土産として3つ紹介していただきました。
・「水光呼子いかせん」有限会社木屋 750円
唐津は呼子のイカで有名。イカもおせんべいなら気軽に持ち帰れます。ちょっとピリ辛でおつまみにも最適!
スタッフ「食べるとやめられない、とまらない味ですよ」
・「陶片せんべい」有限会社鶴丸 300円 ※化粧箱代別途料金
唐津焼を模した固焼きせんべいです。絵唐津/朝鮮唐津/斑唐津/ひしゃく掛けといった絵柄が一つひとつ丁寧に描かれています。唐津焼の素朴な雰囲気がなんとも味わい深い商品です。化粧箱に入れてプレゼントするのがおすすめです。
スタッフ「焼き物なのに食べられるのはいいですよね」
・「からつ唐辛子」株式会社クラベル・ジャパン
唐津で栽培している国産唐辛子を使った一味と七味です。七味には独自の柑橘である『げんこう』を使うなど、どこまでも唐津にこだわって作られています。商品名は唐津くんちの「曳山(やま)」の名からとっています。中身もそれぞれ味が違うので買いそろえたくなる一品です。
スタッフ「香りも良く、しっかり辛いので、辛党もうなる絶品です!」
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磁器の町・伊万里ならではのお土産①
高い技術を誇る伊万里焼
伊万里焼は17世紀初期に佐賀県有田で始まった日本初の磁器で、陶石を原料に1200度以上の高温で焼き上げる技法により、透明感のある白い磁肌と優れた耐久性を実現しています。伊万里港から出荷されていたことからこの名がつき、国内外で広く愛用されてきました。
この伊万里焼の中でも特に格式が高いのが鍋島焼です。江戸時代に佐賀藩が直営で運営していた御用窯で製作され、将軍家や大名への献上品として作られていました。色鮮やかな色鍋島、藍色の美しい鍋島染付、そして青磁釉が特徴的な鍋島青磁の三種類に分類され、いずれも伊万里焼の最高峰とされる技術の粋が込められています。
鍋島焼の伝統を大切にしながらモダンなデザインで新たな鍋島焼を創造しているのが大川内山にある〈青山窯〉です。
ほかにも、伝統的な器の形をつかった小さな豆皿「おてしょ皿」などもお手頃価格で手に取ることができます。
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磁器の町・伊万里ならではのお土産②
伊万里風鈴も人気
また、伝統技術を受け継ぐ大川内山では、気軽に楽しめるお土産として風鈴が人気を集めています。
2025年は開窯から350周年。約30の窯元が参加する風鈴市では3000個を超える風鈴が素敵な音色を奏でます。
磁器の町・伊万里ならではのお土産③
食べる伊万里焼?「伊万里焼饅頭」
伊万里に訪れたら是非おすすめしたいのが老舗菓子店〈エトワール・ホリエ〉の「伊万里焼饅頭(160円税込)」です。
昭和26年から愛され続けるこの和洋折衷の焼き菓子は、伊万里焼特有のひび割れ模様を饅頭の表面に美しく再現しており、見た目からも伊万里の文化を感じられる逸品です。
定番の黄身餡とミルク餡をブレンドした味に加え、地元のお茶を使った緑茶味(170円税込)も用意されており、それぞれ違った食感と美味しさを感じられる逸品です。伊万里焼饅頭はJAL国際線ファーストクラスでも採用された実績もあり、伊万里の風土と職人の技が生み出した、まさに伊万里を象徴する銘菓として、地元の人々はもちろん、多くの観光客の心も魅了し続けています。
また、新商品の「オールド・イマリ(130円税込・5個入り1,800円)」は伊万里焼の美しい絵柄を施した最中菓子で、サクサクした皮にキャラメルクリームが挟まれた洋風仕立てです。2025年「全国菓子大博覧会旭川」において外務大臣賞を受賞しています。伝統ある伊万里の文化を味わいながら楽しめる、伊万里土産として心からおすすめしたい特別なお菓子です。
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磁器の町・伊万里ならではのお土産④
おみやげスポット〈道の駅 伊万里ふるさと村〉
〈道の駅伊万里ふるさと村〉では伊万里牛のほか、生鮮食品、お菓子、お酒などお土産におすすめの商品が数多くそろっています。
2025年3月にリニューアルオープン。伊万里牛を使った「メンチカツ定食(1000円)」などが食べられるイートインスペースも新設されています。
駅長さんおすすめの3品を選んでいただきました。
・「ふくちゃん」ふくや 230円
伊万里の人なら必ずと言っていいほど食べたことがある、ふるさとの銘菓です。どら焼きは通常銅板で焼いてあんこを挟みますが、こちらの「ふくちゃん」はオーブンでじっくり焼いて作っています。
駅長「生地はふんわりしていて、中のあんこはしっかり甘い。お茶菓子に最高です」
・「パインブッセ」ふくや 230円
ふわふわとした生地の中に甘酸っぱいパインのジャムが入っています。
駅長「パイン味は珍しいですよね」
・「伊万里紅茶」平島製茶 550円
伊万里の標高450mの山間地、日南郷(ひなたごう)では、伊万里茶が栽培されています。そのお茶で作ったのが平島製茶の紅茶です。
駅長「色も香りよく、甘みやうまみがありとても飲みやすい紅茶です。ふくちゃんと一緒にぜひ楽しんでください」
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おわりに
歴史と文化が息づく唐津と伊万里には、心に残るお土産が豊富にあります。伝統工芸品からご当地グルメまで、個性豊かな品々は旅のすてきな思い出となるでしょう。大切な人への贈り物や自分へのご褒美に、ぜひ唐津・伊万里ならではの逸品を見つけてくださいね。
伝統の伊万里焼技法で作られた風鈴は、見た目の美しさと涼やかな音色で多くの人に愛され、手軽に購入できる代表的なおみやげとして人気です。1500円~3000円程度で購入ができます。ぜひさまざまな窯元を訪れてお気に入りの風鈴を見つけてくださいね。
大川内山の風鈴市
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この記事を書いた人

出口 やえの
長崎のカメライター
長崎県佐世保市在住のフリーライターです。神奈川、千葉、鹿児島、静岡を経て、2007年に長崎に移住しました。大好きな長崎の魅力を写真や言葉で届けるべく、日々東奔西走中です!
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