【街歩き】唐人屋敷跡から小島そして丸山へ【ディープに巡る】
2022/9/12 公開
思案橋・丸山
長崎には、主要観光スポットからほど近くのところに、散策すると面白い場所がたくさん存在します。そのため、観光名所から「あと一歩」足を伸ばすだけで、よりディープに長崎観光を楽しむことができます。今回は、長崎新地中華街からスタートし、国際色豊かな長崎の歴史や文化、そしてローカルな雰囲気を味わえる、一推しコースをご紹介します。
【本日の散策ルート】
湊公園 → 唐人屋敷跡 → 長崎(小島)養生所跡資料館 → 大徳寺公園 → 丸山公園
湊公園から散策スタート
長崎新地中華街南門出てすぐの湊公園
長崎新地中華街近くの湊公園から、本日の散策はスタートです。湊公園から中華街を正面に見て、右側・南東の方角に進んでいきます。ちなみに、この湊公園は、市民の憩いの場でもあります。休憩所の屋根の下、地域の方々が将棋に興じているのがお馴染みの風景です。
唐人屋敷跡へ
しばらく進むと、唐人屋敷跡の入り口(唐人屋敷象徴門)が見えてきます。唐人屋敷は、江戸時代、中国から長崎に貿易をしにやってきた唐人(中国人)さんが滞在するための場所でした。鎖国下の当時、キリスト教の禁教や密貿易の防止のため、オランダ人は「出島」に、中国人は「唐人屋敷」に隔離されていました。唐人屋敷は、出島の中国版かつ陸上版とイメージすると、分かりやすいかと思います。
雰囲気の良い小道
唐人屋敷跡には、「土神堂」「天后堂」「観音堂」「福建会館」など、当時の面影を残す歴史的な遺構が残されています。土神堂の隣、マル金温泉(※現在は閉業)前にある石段が続く道が、趣深くてお気に入りです。中国風かつレトロな雰囲気が漂っています。
長崎と中国の交流の歴史を学べる「蔵の資料館」
石段の道の中腹あたりに「蔵の資料館」があります。こちらでは、唐人屋敷跡のことや、長崎と中国の交流の歴史について学ぶことができます。コンパクトに分かりやすくまとまっているので、唐人屋敷跡散策の予習にオススメです。無料で入館できます。
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日本近代西洋医学の源流・小島を巡る
高台から唐人屋敷跡を見下ろす
唐人屋敷跡周辺の散策を楽しんだ後は、すぐ隣町の西小島にある「長崎(小島)養生所跡資料館」へ向かいます。道中に見える、長崎らしい斜面地の風景は圧巻です。また、高台からは、唐人屋敷跡一帯を見下ろすこともできます。かつて、長崎の人たちもこの場所から、物珍しい唐人屋敷の中の様子を、眺めていたのかも(?)しれません。
小学校体育館横に併設される「長崎(小島)養生所跡資料館」
唐人屋敷跡から歩いて十数分で「長崎(小島)養生所跡資料館」に到着します。かつてこの場所には、日本初の近代西洋式病院「長崎(小島)養生所」があり、現在は資料館が建てられています。
日本における「近代西洋医学の父」ポンペさん
資料館では、日本における近代西洋医学の発展に尽力した、オランダ軍医ポンペさんの功績などが紹介されています。幕末、黒船来航で危機感を持った幕府は、長らく交流のあったオランダを通じて、西洋の知識や技術を学ぼうとしていました。「近代西洋医学」も、その一つ。そんな中、教官として長崎にやってきたのが、ポンペさんでした。
彼は、5年にわたり、長崎にて近代医学の教育に奮闘しました。その尽力のおかげで、多くの日本人がこの地で近代西洋医学を学び、その後の日本の医学・医療の発展の礎を築くことになります。
分かりやすい展示や模型、加えて映像も豊富です
2020年に開館したこの資料館は、分かりやすく充実した展示にも関わらず、(開館当時、コロナ禍の真っ只中だったこともあり)まだまだ知られていない穴場スポットになっています。入館料も無料なので、ぜひぜひ、散策の途中で立ち寄ってみてくださいね。
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大徳寺公園でおやつタイム
梅ヶ枝焼餅の「老舗 菊水」さん
食べ応えのある大きさが嬉しい
長崎(小島)養生所跡資料館を見学した後は、大徳寺公園を抜けて、旧花街の丸山エリアへ向かっていきます。道中「老舗 菊水」さんに寄って、梅ヶ枝焼餅(大徳寺焼餅)をおやつに購入しました。モチモチした生地に、あんこがぎっしり詰まっていて美味しいです。
推定樹齢800年と言われるクスノキ
菊水さんのすぐ隣には、推定樹齢800年と言われる、巨大なクスノキがあります。長崎のまちが誕生したのが今から約450年前なので、このクスノキは、長崎が生まれるずっと前から、この場所に立っていることになります。レジェンド級のクスノキです。
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旧花街の丸山へ向かう
雰囲気の良い小道
大徳寺公園から坂を降りると、長崎の夜の繁華街・飲み屋街エリアに突入します。かつての趣や、昭和レトロな雰囲気が残るこの周辺は、昼間に散策しても楽しめます。
レトロな趣残る飲み屋街
丸山エリアの入り口
しばらく歩くと、今回のゴール地点、旧花街である丸山エリアに到着します。かつて丸山は、江戸の吉原・京都の島原と並び、日本三大花街の一つと呼ばれました。長崎の役人や、各地から集まった商人、文人墨客の社交の場としても、重要な役割を担った場所です。
かつて日本三大花街と呼ばれた丸山
丸山公園内の龍馬像
丸山公園内の坂本龍馬像にて、今回の散策を締めくくります。幕末、歴史の一大舞台となった長崎で、龍馬も活躍しました。丸山にも、しばしば訪れていたと言われています。
なお、丸山に関しての詳細は、こちらの記事(【街歩き】丸山ぶらぶら散歩【歴史と時の移ろいを味わう】)をご覧ください。丸山エリアの散策も、非常にオススメです。
ということで、今回は唐人屋敷跡・小島・丸山を散策するオススメコースをご紹介してみました。いかがだったでしょうか。今回の巡り方の詳細は、以下のYoutube動画にもまとめているので、そちらもぜひ参考にしてみてください。
【街歩き】唐人屋敷から小島そして丸山へ / 日本近代西洋医学の源流を訪ね歩く【長崎観光】
それではみなさん、良い長崎散策を!
※情報は取材当時のものです。詳細は公式サイトなどでも事前確認することをおすすめします。
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この記事を書いた人
品川 正之介
Youtuber/Podcaster
1991年生まれ、神奈川県横浜市出身。大学卒業後、プラントエンジニアリング会社で約2年、IT系スタートアップで約3年働いた後、2020年2月に東京から長崎(長崎市)へ移住。現在は「外から来た人の目線で、長崎の魅力を掘り起こし、伝え、生かす」をテーマに、Podcast(「ながさきラジオ」)やYouTube(「長崎暮らし」)での情報発信を行う。口癖は「長崎は銀河系で一番面白い」。
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