長崎案内人vol.1【長崎県美術館】内藤洋さん
公開日:2022/10/24最終更新日:2022/10/24出島・ベイサイド


観光客を出迎え、長崎ならではの魅力を発信している人にインタビューを行う「長崎案内人」。第一回は、長崎市出島町にある長崎県美術館の広報マーケティング担当を務める内藤洋さんにお話を伺いました。展示作品を観るだけではなく、運河沿いを散策したり、屋上から景色を眺めたり、オシャレなグルメも楽しめる美術館の魅力をたっぷりと紹介。また長崎に移住して感じることや、他の地域にはない特徴についても聞きました。
自然あふれる現代的な美術館
ーまずは長崎県美術館の概要について教えてください。
2005年4月に開館した長崎県美術館は、デザインを建築家の隈研吾さんが手がけたことでも知られています。企画展とコレクション展(常設展)を中心に、さまざまな作品を展示しています。
企画展は年に4,5種類あり、その内容は多種多様です。いかにも美術館らしい絵画の展示もあれば、立体作品や彫刻、また絵本や漫画の原画など扱うユニークな展示もあります。特に夏休み期間は、親子で一緒に楽しめる内容を意識しています。そして長崎県美術館の特徴の一つが、東洋有数の規模を誇るスペイン美術のコレクションです。常設展ではスペイン美術や長崎ゆかりの美術を中心に観ることができます。
ー展示以外にも、多彩な文化活動に力を入れているそうですね。
大人も子どもも楽しめる企画展に合わせたワークショップ、学芸員をはじめ専門家が主にコレクションを巡って毎回様々なテーマで語る「コレクションインフォーカス」の他、地元大学の学生が様々な音楽の演奏を披露する「イブニングライブ」を月に2回開催しています。演奏会はこれまで360回を超える開催数を重ねていて、たくさんの方に親しまれています。
ー現代的な建物のデザインがとても素敵ですね。
運河をまたぐ形の美術館はとても珍しいのではないでしょうか。施設は長崎市民の憩いの場である長崎水辺の森公園と隣接していて、沿道も繋がっているので、近くを散歩されている方も多くいますね。私の一押しスポットは、美術館の屋上庭園です。意外と知られていませんが、世界遺産のジャイアント・カンチレーバクレーンや、女神大橋、稲佐山といった場所を見渡す絶景が楽しめるんですよ。ベンチに座って休憩することもできますし、夕日や夜景も素晴らしいです。入場チケットは必要ないエリアなので、どなたでも自由に足を運べます。
ー館内のオシャレなカフェも人気と聞きました。
運河を眺めながらくつろぐことが出来るカフェです。メニューはコロナ禍に合わせてリニューアルし、全てテイクアウトが可能となっています。持ち帰り用の袋もオシャレなんですよ。
サンドイッチ やドリンクなどもありますが、私がオススメしたいのは「いろどり野菜長崎角煮ごはん」。色鮮やかな野菜もたっぷりと使用していて、女性を中心に人気となっています。食材やメニューから長崎を感じてもらえるよう工夫しています。
心を解きほぐすきっかけになる場所
ー内藤さんは広報マーケティング担当とのことですが、どのようなお仕事をされているのでしょうか。
美術館の取り組みを発信したり、さまざまな展示内容を紹介して、一人でも多くの方に足を運んでいただくために活動しています。具体的には、展覧会ポスターやチラシの制作、配布、メディア対応としてテレビやラジオ出演することもあります。また美術館の公式SNSでの情報発信にも取り組んでいます。
企画展を企業や団体と共催する際には、その窓口役となって調整を行います。展覧会によって異なりますが、企画展の場合は2〜3年前から準備を進めることもありますね。
ー新型コロナウイルスの感染拡大によって来場者数が減少したとのことですが、現在はいかがですか
昨年は予定されていた展示が中止・延期になったこともありますし、一昨年は休館した時期もありました。現在はその時期よりは来場者の数は増えていますが、それでもまだまだです。もっと多くの方に来ていただけるポテンシャルはあると考えていますし、コロナの感染状況や人の動きを見ながら広報活動に力を入れていきたいです。
コロナ禍が長引いてどこか閉塞感がある中で、ちょっと外に出てみよう、気分転換してみようと、そういう気持ちのきっかけに美術館がなれたら嬉しいですよね。美術館は基本的に喋る場所ではないですし、換気や密を避ける対策も万全です。
そして個人的には、こういう社会状況だからこそ、いろんな文化・芸術に触れることで心の癒しになったり、日常とは違う感動を体験できたり、そういった部分でも少しでもお役に立てればと思います。
コンパクトな街をゆったりとめぐる観光
ー2021年4月から勤務している内藤さんは、新潟県から移住してきたそうですね。実際に長崎市に住んでみた印象はいかがですか。
もともと大学の卒業旅行や家族旅行で来たことはありましたが、当時の良いイメージそのままの街ですよね。すごく気に入っています。
その理由の一つは、コンパクトシティであることです。路面電車で行ける範囲に、世界的に有名な観光地から大型商業施設、地元の人が通う飲食店まで集まっています。観光客も地元の人も分け隔てなく集まるので、街に活気がありますよね。浜の町アーケードなど、昔ながらの商店街が賑わっているのも魅力的です。
ー長崎を訪れる観光客の方へ、メッセージをお願いします。
私たちとしては、もちろん展覧会を通してお客さまの心に何か響くことがあれば嬉しいですが、もっと気軽に美術館へと足を運んでもらえたらとも思います。屋上からの景色だけを見に来てもらってもいいですし、カフェやショップを利用するためでも、建物の周りを散歩するだけでも構いません。徒歩圏内には出島もありますし、大浦天主堂やグラバー園からもバスや電車で数分です。ぜひ長崎観光を楽しむ中で、長崎県美術館にも立ち寄って来ていただければと思います。
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内藤洋さんオススメの長崎観光スポット▶軍艦島
去年の夏に念願叶って上陸することができました。かつて多くの人たちが住んでいた場所の持つエネルギーが伝わってくるようで、単なる廃墟という言葉では到底表現しきれない、不思議な場所でした。実際に上陸することで、感慨深い気持ちに浸れる場所です。
※情報は取材当時のものです。詳細は公式サイトなどでも事前確認することをおすすめします。
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※掲載情報は取材当時のものです。公式サイトでの事前確認をおすすめします。
この記事を書いた人

藤本編集局 藤本明宏
ライター
長崎県在住のライター・インタビュアーです。人とまっすぐ向き合い、心のこもった文章を書いていきたいと思います。また普段から、インタビューで長く、ゆっくりと話を深めることに意識を向けています。
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