「山王山入口」の標識に従って登山口へ

山王山は標高約439ｍ。伝教大師最澄が開山したとされ、山全体が山頂に鎮座する雄嶽日枝神社の御神体です。奈良尾港から国道384号を車で約20分。荒川トンネルを抜けると「山王山入口」と書かれた案内板が目に入りました。 軽自動車１台がやっと通れる山道を10分ほど上ると、6合目にある駐車場に到着。ここからは歩いて山頂へ向かいます。

山の6合目にある駐車場から階段を上って山頂に向かいます

背の高い木々が生い茂る中を15分ほど歩くと、目の前にしめ縄が張られた岩窟が。「山王宮二之宮跡です。パックリと割れた岩窟からは、平安時代から江戸時代に造られた報賽（ほうさい）鏡がいくつも出土しています」と濱﨑さん。 山王宮二之宮跡の岩窟。「昔は岩窟に水がたまっていて、当時の人たちは願いがかなうと水の中に鏡を投げ入れたそうです」と濱﨑さん

平安後期や鎌倉、室町、江戸時代の和鏡など17面が発見されました。写真は荒磯松双鳥鏡（あらいそまつそうちょうきょう）（開山1200年記念祭時に展示されたもの） さらに20分ほど登ると、山頂の雄嶽日枝神社に着きました。拝殿は一部残っているものの、ほとんどが台風で倒壊したそうです。「平成の初めごろまでは地区の役員や神社関係者らが山王山に登り、火を焚きながら神社で年を越しました。除夜祭、元旦祭も執り行われており、ここから初日の出を見ましたね」と懐かしそうに話します。

雄嶽日枝神社（現在、拝殿は取り壊されています）

遣唐使が航海の安全を祈願したといわれます

近くに展望所があると聞き行ってみました。神社横から登ると山王山展望所が。山頂からは360°の眺望が広がり、小値賀諸島など五島列島の島々や、遠くは平戸まで見渡すことができました。 山王山展望所（台風で展望台の一部が破損していますので、気を付けてご利用ください）

空は晴れ渡り空気も澄んで最高の登山日和でした。 以上、とっとってmotto!編集部でした!

※情報は2022年12月時点のものです。